Islamic Fundamentalism in the West Bank and Gaza: Muslim Brotherhood and Islamic Jihad

現代のヨルダン川西岸地区およびガザ地区におけるイスラーム運動の歴史的展開を、同地区で入手された一次資料に基づいて詳述する一冊。特に、第1次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)前後の経緯が、パレスチナのムスリム同胞団を起源に持つハマースとパレスチナ・イスラーム・ジハード運動という二つの運動の相違を形成していく過程を明らかにする。ハマース研究における主要な古典の一つとして多くの文献で言及されている他、研究の蓄積が少ないパレスチナ・イスラーム・ジハード運動に関する貴重な研究としても評価されている。

著者はガザ地区出身で、アメリカのジョージタウン大学で博士号を取得した政治学者である。この著作を発表した後の1996年以降は、パレスチナ立法評議会議員としても活動し、閣僚も経験した(清水雅子)。