シオニズム運動(地域別)

中東戦争とイスラエル

日本の現代イスラエル研究第一人者により、第三次中東戦争直後に執筆された2部作の論文。シオニズムとイスラエル・ナショナリズムの本質まで切りこむ深い考察が加えられている。 論文第1部の前半は、第三次中東戦争開始直前のイスラエ […]

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Russian Jews between the Reds and the Whites, 1917-1920

ロシア革命に際してユダヤ人は様々な潮流に属していた。当時から流布していた「ユダヤ人=ボリシェヴィキ」という固定観念(それ自体反ユダヤ主義の原因となっていた)に反して、ボリシェヴィキにユダヤ人は少なく、多くはメンシェヴィキ […]

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アラブ革命の遺産――エジプトのユダヤ系マルクス主義者とシオニズム

2人のユダヤ系エジプト共産主義者――アハマド・サーディク・サアドとヘンリ・クリエル――の1952年革命前後数十年の軌跡を描いた大作。双方の両親や祖父母はヨーロッパから移住したユダヤ人であり、クリエルにいたっては生涯改宗す […]

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No Way Out: The Politics of Polish Jewry 1935–1939

両大戦間期のポーランドはヨーロッパで第一、世界で第二の規模のユダヤ人口を擁した(第一は米国)。そこでのユダヤ人の経験は、戦後のシオニズム運動とイデオロギーを大きく規定したといっても過言でない。本書が扱うのは、大戦前夜に猖 […]

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בין ציונות מדינית לציונות מעשית: התנועה הציונית ברוסיה בראשיתה〔政治的シオニズムと実践的シオニズムの間:ロシアにおける初期のシオニズム〕

ヘルツル時代のロシア帝国系シオニズムを扱ったほぼ唯一の研究書。さまざまな潮流のシ オニズムに目を配っているが、とりわけ、ヘルツルら西欧系とのイデオロギー的な緊張関係や、ロシア帝国内での活動(いわゆる Gegenwarts […]

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A broken trust : Herbert Samuel, Zionism and the Palestinians 1920-1925

近年、第一次大戦100周年を目前にして、委任統治領パレスチナに関する研究書が多く発刊されている。本書は委任統治領パレスチナを扱う研究のなかでも、現在のパレスチナ/イスラエルの間にある非対称の紛争構造を考える上で重要な研究 […]

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世界のユダヤ人とその世界

ユダヤ人の民族性とユダヤ人問題を超歴史的なものと見なす視点を批判し、ユダヤ人が国際的な一体性を持つ民族として観念され、ユダヤ人問題が普遍的・本質主義的な意味づけをされるに至った歴史的状況を考察した論考。 本論考の前半部で […]

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Barricades and Banners: The Revolution of 1905 and the Transformation of Warsaw Jewry

1905年革命前後のロシア領ポーランドのユダヤ政治(シオニズムやブンドその他)についてのモノグラフ。従来の研究が意識的・無意識的に「コミュニティ」の存在を前提に、それを主体として立論してきたのに対して、本書は言説や制度的 […]

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宗教シオニズムの100年(全3巻)(מאה שנות ציונות דתית)

1903年のミズラヒ運動創設から100年目という節目に刊行された、宗教シオニズムに関するアンソロジー。宗教シオニズムのイデオロギー・神学・文化的な基礎と根源的問題を明らかにし、それによって宗教シオニズムの思想と活動に新た […]

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Religious-Zionism: History and Ideology

宗教シオニズムの概説書。本書は、イスラエルのバール・イラン大学人文学部教授が執筆したヘブライ語文献の英訳版。 本著の特徴は、宗教シオニズムが19世紀あるいはそれ以前に始まったという見解を否定し、1902年のミズラヒ運動創 […]

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宗教学から見た近代ユダヤ人のアイデンティティ――近代国民国家と宗教の定義――

本論考は、ユダヤ教・ユダヤ史を近代主義の問題として捉えなおすという問題意識から編纂された論文集の一章。西欧近代において「宗教」「民族」などの新たな法律概念・政治概念がどのように「ユダヤ教(Judaism)」を規定し、現代 […]

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東方問題再考

パレスチナ問題とアラブ・イスラエル紛争の根本原因を、「東方」概念の歴史的展開を軸に世界史的視点から論じた論考。 本論考の特徴は、ヨーロッパとイスラム世界を相互に切り離された自己完結的な世界と捉える見方を批判し、十字軍、東 […]

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現代イスラエルの社会経済構造―パレスチナにおけるユダヤ人入植村の研究

著者の没後に編纂・刊行され、刊行直後から最近まで数多くの研究者によって高く評価されてきた名著。 本著の特徴は、地誌学とマルクス経済地理学を基盤とする地域構造論という社会科学の手法を用いて、パレスチナという地域そのものの史 […]

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Israel, A Colonial-Settler State?

パレスチナへのシオニストの移民・入植と、その結果生まれたイスラエルを「植民地主義的な入植国家」として分析することを提唱した先駆的研究。 著者は、パレスチナでのイスラエル国家建設を「19 世紀と20 世紀におけるヨーロッパ […]

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Messianism, Zionism and Jewish Religious Radicalism (2nd Edition)

メシア主義思想におけるシオニズムの位置づけを巡る議論を体系的に整理した古典的名著。 著者は、シオニズムを巡る神学的議論はメシア主義すなわち贖いの性格や人間の役割を巡る議論と直結していると論じ、反シオニズムの論陣を張った正 […]

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For the Land and the Lord: Jewish Fundamentalism in Israel

1967年以降にイスラエルで興隆したとされるユダヤ教原理主義について考察した学術書。 特に著者は、1967年戦争と西岸地区・ガザ地区の占領によって、イスラエル国家が、民族的誇り・親密さ・献身を特徴とする国から共同体の運命 […]

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Why Secularism Fails? Secular Nationalism and Religious Revivalism in Israel

イスラエルの政治・社会・文化を理解する上で、世俗主義、宗教(ユダヤ教)、ナショナリズム(シオニズム)の関係を考察することは不可欠である。本論考は、世俗ナショナリズムとして始まったシオニズムが世俗主義には結実せず、逆に「世 […]

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Zionism and Colonialism: A Comparative Approach

植民地主義およびユダヤ人移民とパレスチナ人の接触を分析の中心に据えてイスラエルの政治社会史を考察した論考。これまでのイスラエルの政治社会史は、シオニスト移民の物語とパレスチナ人とユダヤ人移民の接触の物語を別個に扱う「他者 […]

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Jewish Daily Life in Germany, 1618-1945

社会生活に焦点を当てた異色の通史。家族生活や日常的な宗教の実践、職業、非ユダヤ人との関係性などを、大きく4つの時期に分けて詳述している。ドイツ・ユダヤ近代史といえば、モーゼス・メンデルスゾーンを筆頭としたハスカラー(ユダ […]

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The Jews of Britain 1656 to 2000

近代初期のイギリス・ユダヤ史専門家による近現代イギリス史の通史。念頭に置かれているのは、それまでヨーロッパ・ユダヤ人の成功例として単一のストーリーに収められがちだった歴史の多様性を救い出すという点である。ただ、他の地域の […]

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Paths of Zionist Political Action in Turkey, 1882-1914: The Plan for Jewish Settlement in Turkey in the Young Turks Era

オスマン帝国とシオニストの交渉過程を記述した論文。ブ ルガリア独立を経験したオスマン帝国は、同様の問題の発生を避けるべく、パレスチナへのまとまったユダヤ移民には最後まで反対の立場をとっていた。ただ、オスマン帝国全土への分 […]

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The Zionist Ideology

シオニズム思想を主要な潮流に分けて詳述した本。既存の概説書の中では最も体系的でバランスよくまとめられており、シオニズム思想史の古典としての地位を築きつつある。序章では、Anthony D. Smithのナショナリズム理論 […]

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(「ソヴィエト・ロシアのシオニズム、1917年~1939年」) ציונות רוסיה הסובייטית 1917-1939

シオニズムの地域性についての論集に収録された、ソ連時代初期のシオニズムに関する通史。Ziva Galiliによる論文は英語でもいくつかあるが、当該テーマに関してはこれが一番詳しい。 若者が中心となったソ連時代のシオニズム […]

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Prophecy and Politics: Socialism, Nationalism, and the Russian Jews, 1862-1917

ロシア帝国ユダヤ史、とりわけシオニズムを中心としたユダヤ・ナショナリズムに関する古 典。小さい字で700頁近くあり、様々な論点を含むため、百科事典的な使い方もできる。主な主題は、初期のシオニズム、ブンド、社会主義シオニズ […]

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The Zionist Idea: A Historical Analysis and Reader

シオニズム思想に関してよく引用されるアンソロジー。アメリカのユダヤ教保守派(ユダヤ教の保守派は正統派と改革派の中間的存在)のラビでありユダヤ史家でもある著者によるシオニズム史概論に続いて、37人のシオニスト思想家・政治指 […]

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Zionism

シオニズム史を、簡潔に、多岐にわたる論点を軸に読みやすくまとめた入門書。各章末に推奨文献も説明付 きで載っている。著者がディアスポラ地域(特にポーランド)に関するユダヤ現代史を先行することもあってか、初期の段階から現在に […]

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The Dispersion of Egyptian Jewry: Culture, Politics, and the Formation of a Modern Diaspora

1948年以降のエジプト・ユダヤ人の動向を、新生イスラエル国家やシオニズムとの関係のなかで描く。アラブ地域のユダヤ人の歴史もイスラエルに収斂させる従来のシオニズム史観に対して、建国後もエジプトと共に歩んだ者や、エジプト系 […]

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