歴史

シャティーラの記憶:パレスチナ難民キャンプの70年

レバノンの首都ベイルートにあるパレスチナ難民キャンプ「シャティーラ」で150人近くに聞き取り取材をした書籍です。書籍のなかに登場する人物も80人ちかく、丹念な取材に裏打ちされた既述が印象的な一冊です。

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(パレスチナドキュメント・プロジェクトHP)أوراق : مشروع الأرشيف الفلسطيني

ラーマッラー郊外に位置するパレスチナのビールゼイト大学が公開するウェブドキュメントのホームページである(http://awraq.birzeit.edu/)。個人文書、歴史的出来事に関する一次資料、各組織による政治声明、 […]

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[ハガナーの歴史書]ספר תולדות ההגנה

初代教育大臣ベン=ツィヨン・ディヌールが編集したイシューヴ建設からイスラエル独立までの軍事史。全3巻4500頁。「ハガナー」とは直接には英委任統治期の地下軍事組織の名称だが、イシューヴ期全体の軍事史を記述していることから […]

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Brokers of Deceit: How the US Has Undermined Peace in the Middle East

1991年のマドリード中東和平会議でヨルダン・パレスチナ合同代表団のアドバイザーを務めたラシード・ハーリディによるアメリカ中東和平政策批判の書。カーター大統領以降の6人のアメリカ大統領の中東和平政策を視野に入れ、①レーガ […]

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Occupied Territories: The Untold Story of Israel's Settlements

本著では、イスラエルが1967年以降、入植と占領政策を通じて「時代錯誤な植民地主義へと逆戻り」したと論られ、そこに至る政治過程が解説されている。 本著の第1の特長は、被占領地での植民地主義的支配の原因を、1967年から7 […]

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Creating Facts: Israel, Palestinians and the West Bank

1967年以降の西岸地区における、イスラエルによる入植地建設と対パレスチナ人政策の背景を考察した概説書。 本書の特徴は、被占領地において土地接収と入植地建設を通じて土地のコントロールがパレスチナ人からユダヤ人へと移され、 […]

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中東戦争とイスラエル

日本の現代イスラエル研究第一人者により、第三次中東戦争直後に執筆された2部作の論文。シオニズムとイスラエル・ナショナリズムの本質まで切りこむ深い考察が加えられている。 論文第1部の前半は、第三次中東戦争開始直前のイスラエ […]

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המתנחלים והמאבק על משמעותה של הציונות 宗教右派入植者とシオニズムの意味を巡る闘争

本著では、西岸地区とガザ地区のイスラエル入植地をめぐるイスラエル国内での論争が、単なる政策・政治レベルの問題ではなく、イスラエル国家のアイデンティティとシオニズムの意味を巡る根源的(イデオロギー・文化・社会的)闘争である […]

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Is America "Different?" A Critique of American Jewish Exceptionalism

20世紀後半からBen Halpernをはじめとした歴史家の間で共有される傾向にあるアメリカ・ユダヤ史例外論を、最新のヨーロッパ・ユダヤ史の成果に基づきながら退ける意欲的論文。この例外論とは、ユダヤ史のなかでアメリカでは […]

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Russian Jews between the Reds and the Whites, 1917-1920

ロシア革命に際してユダヤ人は様々な潮流に属していた。当時から流布していた「ユダヤ人=ボリシェヴィキ」という固定観念(それ自体反ユダヤ主義の原因となっていた)に反して、ボリシェヴィキにユダヤ人は少なく、多くはメンシェヴィキ […]

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アラブ革命の遺産――エジプトのユダヤ系マルクス主義者とシオニズム

2人のユダヤ系エジプト共産主義者――アハマド・サーディク・サアドとヘンリ・クリエル――の1952年革命前後数十年の軌跡を描いた大作。双方の両親や祖父母はヨーロッパから移住したユダヤ人であり、クリエルにいたっては生涯改宗す […]

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No Way Out: The Politics of Polish Jewry 1935–1939

両大戦間期のポーランドはヨーロッパで第一、世界で第二の規模のユダヤ人口を擁した(第一は米国)。そこでのユダヤ人の経験は、戦後のシオニズム運動とイデオロギーを大きく規定したといっても過言でない。本書が扱うのは、大戦前夜に猖 […]

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ממלכתיות: התפיסה האזרחית של דוד בן-גוריון [マムラフティユット:ダヴィド・ベングリオンの市民概念]

ベングリオン等、イスラエル建国初期の指導者においてキーワードになっていた「マムラフティユット」の起源とその内容を検証した、テルアビブ大学の政治学者による研究書。「マムラフティユット」は「国家性」「国家主義」などと訳すこと […]

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The Ethnic Cleansing of Palestine

歴史家イラン・パペが1948年のナクバに関してまとめた歴史書。タイトル通り、ナクバをパレスチナにおける「民族浄化」と捉え、それが偶然の積み重ねや場当たり的になされた命令の結果として起きたのではなく、マスタープランが存在し […]

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Facts on the Ground

本書はミシェル・フーコー、エドワード・サイードらによる制度としての学問の対象化の作業、および「学問の客観性」こそが極めてヨーロッパ中心主義的であるとの提起をふまえ、パレスチナ/イスラエルにおける考古学を対象とした(ポスト […]

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Jabotinsky and the Revisionist Movement 1925-1948

シオニズム右派として1920年代に東欧ユダヤ人を中心に立ち上げられた修正主義と呼ばれる一派の思想を、特にその創設者ヴラディーミル(ヘブライ語名:ゼーヴ)・ジャボティンスキーを中心に詳説したもの。ヘブライ語資料が基本に据え […]

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(パレスチナ事典:第二版) الموسوعة الفلسطينية

パレスチナ問題に関するあらゆる情報を集めたパレスチナ事典の第二版である。1984年発行の第一版(4巻本)と比較して内容がさらに充実し、7巻本となっている。それぞれの巻は、項目毎にまとめられ、研究者による詳細な説明、論考が […]

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(マルジ・ズフール:パレスチナにおけるイスラーム主義運動の一大局面) مرج الزهور: محطة في تاريخ الحركة الاسلامية في فلسطين

1992年12月にイスラエル当局によって被占領地で活動するイスラーム主義組織のメンバーが大量逮捕され、レバノン南部マルジ・ズフールに追放される事件が起きた。イスラーム抵抗運動(ハマース)とイスラーム聖戦運動の2団体から4 […]

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パレスチナ外交・政治文書閲覧サイト(アラビア語・Wafa資料)

・Wafa<http://www.wafainfo.ps/index.aspx> もともとPLOの報道機関として設立された「パレスチナ報道情報局」(Wafa)による情報発信ページである。最新の情報のみならず、右端のタブの […]

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Exile from Exile: Israeli Writers from Iraq

国家建設以前からヨーロッパ出身のユダヤ人が中心となって発展していたイスラエルの文学界で、イラク出身のユダヤ人はミズラヒームとしては唯一多くの作家を輩出している。本書は第一部でこうした状況の歴史的背景と特徴を「離散文学」と […]

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Being Israeli

新制度論をグローバリゼーション化における各国の移民編入政策への分析に取り込んだヤスミン・ソイサルの議論を、イスラエル社会のメンバーシップにおける「包摂」と「排除」の論理への分析に適応しようとした著作。イスラエルの市民権の […]

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The land Question in Palestine, 1917-1939

パレスチナにおけるいわゆる「土地問題」について、膨大な委任統治政府の公文書群への分析に基づいて論じた著作。主に、パレスチナ地域に対する独自の利害をもった存在としての委任統治政府の土地政策を巡るシオニストとアラブ人地主の間 […]

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The YIVO Encyclopedia of Jews in Eastern Europe

ユダヤ研究で分からないことがあればまず参照する辞典として、最も高名なのはEncyclopaedia Judaica(2006年版が最新)であろう。だが、「東欧」のユダヤ人に関してより多くの情報を得たいと思えば、まず参照さ […]

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The Jews and Minority Rights: 1898-1919

ロシア・東欧のユダヤ人の「民族的権利」や「自治」を求める思想や運動を全体的に見渡した古典。前半は、シモン・ドゥブノフ、ハイム・ジトロフスキー、ナータン・ビルンバウム等、ユダヤ・「ネイション」としての意識を発展させそれに依 […]

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For Our Freedom and Yours : the Jewish Labour Bund in Poland, 1939-1949

第二次世界大戦開始から戦後の1949年(=ポーランドで統一労働者党以外の政党活動が不可能となった時期)までのポーランドのブンドを扱った歴史書。ドイツ軍の侵攻、ゲットーの建設、ユダヤ人虐殺の情報の広まり、といった刻々と変化 […]

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The Zionist/Jewish and Palestinian/Arab National Movements: The Question of Legitimacy—a Comparative Observation

パレスチナ/イスラエルにおける紛争を、「シオニスト/ユダヤ」と「パレスチナ/アラブ」の間の対立と定義したうえで、双方の敵もしくは「正統な」交渉相手に関する認識をおおむね標準的な形で描いている論文。両者を対等なものとして描 […]

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犠牲者としてのユダヤ人/パレスチナ人を超えて:ホロコースト、イスラエル、そしてパレスチナ

いわゆるポスト・シオニズムの諸研究に触発されながら、イスラエル社会の犠牲者像の所在やその変容について概観した論文。建国当初、イスラエル社会においてホロコースト生存者に対する視線には冷たいものがあった。自立的なユダヤ人を目 […]

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Compact Memory (Die Welt等のドイツ語ユダヤ系新聞のデータベース)http://www.compactmemory.de/

世界シオニスト機構のドイツ語機関紙Die Weltや東欧ユダヤ人に関する記事を主題としたOst und Westなども全号無料で閲覧できるサイト(右クリック→画像を保存 で画像として保存できる)。ロシア・東欧のヘブライ語 […]

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Rising Dust: A Cultural History of Dance in Palestine

オーストラリア出身のダンサー/コレオグラファーによる、パレスチナにおけるダンスの通史。パレスチナのダンスの起源にこだわり最古の文書記録として3800年前のマリ王ジムリリムの書簡や聖書における記述などの紹介から始めているの […]

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(パレスチナ民族主義運動文書集・1918~1939年:アクラム・ズアイタル資料より) وثائق الحركة الوطنية الفلسطينية 1918-1939: من أوراق أكرم زعيتر

イギリス委任統治期におけるアラブ大反乱(パレスチナ大革命)までの文書や声明を集めた資料集である。巻末に文書の写真あり。各地の民族主義団体による声明、アラブ高等委員会による声明などが収録されている。(鈴木啓之)

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