המתנחלים והמאבק על משמעותה של הציונות 宗教右派入植者とシオニズムの意味を巡る闘争

本著では、西岸地区とガザ地区のイスラエル入植地をめぐるイスラエル国内での論争が、単なる政策・政治レベルの問題ではなく、イスラエル国家のアイデンティティとシオニズムの意味を巡る根源的(イデオロギー・文化・社会的)闘争であるという主張が展開される。

著者はまず、入植地をめぐる対立の要因は、「国家シオニズム」と「贖いのシオニズム」の違いにあると論じる。前者は、イスラエル国家を重視し、エレツ・イスラエルへの入植/定住を国家主権実現の手段と見なす。後者は、ラビ・ツヴィ・イェフダ・クックの教えを指し、国家主権を「イスラエルの地への入植/定住」の手段と見なす。

著者によると、非妥協的なメシア主義グループは宗教シオニズム内でもマイノリティーであり、宗教右派入植者の大多数は2つのシオニズムの間で矛盾を抱えているという。だが、その指導層は、イスラエル国家の方向性との対立を隠すため、2つのシオニズムの違いの存在そのものを否定するようになった。同時に彼らは、自らの政治神学に法的基盤を与えるため、主権と安全保障の用語で自らの神学を説明するようになったという。

以上のように論じた上で著者は、イスラエルの将来は、宗教右派入植者がいかにして内部矛盾を解決し、イスラエル世論が宗教シオニズムにどのように対応していくかで決まると結論づける。

イスラエル主要紙の記者によって書かれた本書は、明確すぎるぐらいの単純な構図で、イスラエル国内の論争の所在を明らかにしてくれる。(今野泰三)