Ethnocracy: Land, and the Politics of Identity Israel/Palestine

2013年1月2日 最終更新日時 : 2013年1月2日 今野 泰三

本著の特徴は、イスラエルとパレスチナを一つの構造分析の中に捉え、その地理・政治・文化・社会・経済的ダイナミクスを、「エスノクラシー（Ethnocracy）」という概念で総合的に分析する点にある。エスノクラシーとは、民主主義の装いをもちながらも、係争領土における特定のエスノ・ネーションの拡大・独占・支配を確立することを目的とした政体を意味する。著者は、ネオ・グラムシ主義と物質主義のアプローチを採用し、エスノクラシー政体の形成・変容を「移民入植社会」、「エスノ・ナリョナリズム」、「資本の民族主義的なロジック」という３つの要素の相互作用として考察する。

本著は、ローカルなスケールも分析対象に含めており、イスラ エル／パレスチナにおいて差別や差異がいかにして構造化され、不均衡発展や分離・隔離を形成してきたか分かりやすく示している。

著者は、ベングリオン・ネゲヴ大学地理学科の政治地理学者。（今野泰三）

  • 著者: Oren Yiftachel
  • 出版社: University of Pennsylvania Press
  • 出版都市: Pennsylvania
  • 出版年: 2006
  • 翻訳: 無し
  • 言語: 英語
  • キーワード（3点以上、論文の場合は5点以内、本の場合は原則10点以内）: エスノクラシー、ナショナリズム、資本主義、移民入植社会、入植地問題、パレスチナ人、ユダヤ人、アシュケナジーム、ミズラヒーム
  • 文献種別: 書籍
文献カテゴリ
パレスチナ／イスラエル紛争史、総説・概説、第1波アリヤー（ヒバット・ツィオン、ビールー）、イシューヴ形成史、イスラエル･入植地の社会、「民族・移民・難民」の項目参照、「民族・移民・難民」の項目参照、ユダヤ人、アシュケナジーム、中東和平、紛争観と和平像、イスラエル国内政治、イスラエル軍、ユダヤ教、ユダヤ／イスラエル、ナクバ／独立戦争、社会・福祉･心理、第2波アリヤー、パレスチナ自治区の社会、歴史認識、イスラエル、入植地問題、アラブ・イスラエル紛争、軍政府（～1966）、民族･人種差別、政治・労働・運動、破壊された村／パレスチナ難民の発生、経済･産業･金融、第3波アリヤー、安全保障、産業、人口、イスラエル・パレスチナ紛争、占領地の軍統治、その他マイノリティ、文化･宗教、ナクバ、6月戦争（ナクサ）／6日戦争、政治・法・行政、パレスチナ・ナショナリズム／民族解放運動、パレスチナ自治区内政治、分離壁･チェックポイント、ユダヤ移民、入植地問題（「地理と人口」の項目参照）、10月戦争／ヨム・キプール戦争、シオニズム運動（潮流別）、政治的･一般シオニズム、地理と人口、エスニシティ・ディアスポラ、シティズンシップ･ＩＤ･パスポート、中東戦争、エルサレム問題、ナショナリズム、レバノン侵攻／レバノン戦争、ヨルダン併合期の西岸地区、シオニズム運動（テーマ別）、教育、民族・人種差別、イスラエルの法、経済開発、国境問題、レバノン戦争・内戦、パレスチナ難民／移民、バイナショナリズム、パレスチナ社会・文化史、社会主義（労働）シオニズム、ジェンダー、パレスチナ自治区･占領地関連の法、地域経済、インティファーダ、コロニアリズム／ポスト･コロニアリズム、修正主義シオニズム、紛争と和平交渉、イスラエル行政、経済政策、都市開発、外国人労働者、宗教思想、宗教シオニズム、スファラディーム・ミズラヒーム、ユダヤ人入植地、ディアスポラ　、パレスチナ／アラブ人、思想・哲学、政治思想、パレスチナ村落、近現代パレスチナ、文化・民俗、イスラエル／パレスチナ共通、宗教、民族・移民・難民、軍事・治安、イスラエル社会史・文化史、ユダヤ教、歴史的パレスチナ、エルサレム
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