Hamas in Politics: Democracy, Religion, Violence

パレスチナの政治社会運動ハマースの政治思想と実践における民主主義、宗教、そして暴力の役割を、長期にわたるフィールド調査と政治学ないし政治社会学の理論を援用して分析する一冊。とりわけ、ハマースがどのように権威を概念化し実践しているかに焦点を当て、指導者から活動家、支持者、そして一般市民や敵対する政治主体まで、著者自らによるインタビューを通じてハマースの政治哲学を解き明かそうとした点に独自性がある。

著者はイギリスのダーラム大学で博士号を取得した政治学者である。レバノンやパレスチナにおけるイスラーム運動や現代テロリズムに関する研究を専門としている(清水雅子)。