Jabotinsky and the Revisionist Movement 1925-1948
シオニズム右派として1920年代に東欧ユダヤ人を中心に立ち上げられた修正主義と呼ばれる一派の思想を、特にその創設者ヴラディーミル(ヘブライ語名:ゼーヴ)・ジャボティンスキーを中心に詳説したもの。ヘブライ語資料が基本に据えられており、ジャボティンスキーのロシア時代については、Michael Stanislawski, Zionism and the Fin de siecle (2001) の刊行を待たなければならなかったが、ジャボティンスキーと彼に続く若い世代との断絶について詳述されている点は特筆される点の一つである。例えば、ジャボティンスキー自身が国家を単なる枠組みとしか考えていなかった一方、弟子たちはそれによりロマン主義的な意味合いを付与していたという違いは重要である。(鶴見太郎)