Prophecy and Politics: Socialism, Nationalism, and the Russian Jews, 1862-1917

ロシア帝国ユダヤ史、とりわけシオニズムを中心としたユダヤ・ナショナリズムに関する古 典。小さい字で700頁近くあり、様々な論点を含むため、百科事典的な使い方もできる。主な主題は、初期のシオニズム、ブンド、社会主義シオニズム、シオニス ト・パレスチナ移民の革命的エートス。通底するテーマは、ロシア帝国出身のユダヤ人が社会主義の価値を重視しつつ、ユダヤ・ナショナリズムの道を探った思考の歴 史である。19世紀末から20世紀初頭にかけてのロシア・ユダヤ史はもとより、今日まで続くシオニズム史において長く覇権を握ってきた労働シオニズムの源泉を考えるうえでも、本書は最初に読まれるべき文献 といえる(鶴見太郎)。