The Dispersion of Egyptian Jewry: Culture, Politics, and the Formation of a Modern Diaspora

1948年以降のエジプト・ユダヤ人の動向を、新生イスラエル国家やシオニズムとの関係のなかで描く。アラブ地域のユダヤ人の歴史もイスラエルに収斂させる従来のシオニズム史観に対して、建国後もエジプトと共に歩んだ者や、エジプト系ユダヤ人としてイスラエル以外に散って行ったディアスポラにも焦点を当てる。前者に関しては、イスラエルとの対立により、エジプト内での地位が危うくなっていく様子が描かれている。また、終盤では、エジプト・イスラエル和平に関するエジプト系ユダヤ人の立場について論じられている。

著者はスタンフォード大学教授で、北米中東学会会長を歴任。パレスチナを中心としたアラブおよびシオニズム史が専門のZachary Lockmanとの共同研究も多い(鶴見太郎)。