The land system in Palestine : history and stucture

前近代からイギリス委任統治政府期パレスチナにおける土地制度について歴史的に概説した書。著者のアブラハム・グラノットは、シオニスト・テクノクラートの一人として、パレスチナの「イスラム的」土地制度や委任統治政府の政策の問題点を指摘する一方で、シオニストによる入植地建設をパレスチナの「近代化」および農業発展という視点からとらえている。具体的統計など情報量が多く、また著者自身が行った調査結果の詳細が記述されていることから、パレスチナの農業や土地制度の研究において、批判も含め今なお引用されることが多い文献である。本書は1940年にヘブライ語で出版されたものの英訳。なお、著者のグラノットはイスラエル建国後もクネセト議員やJNF事務局長として、現在のイスラエルの土地制度創設にあたって極めて大きな影響力を行使した人物でもある。(吉年誠)