Citizenship and the State: A Comparative Study of Citizenship Legislation in Israel, Jordan, Palestine, Syria and Lebanon

イスラエル、ヨルダン、パレスチナ自治区、シリア、レバノン(現在の主要なパレスチナ難民居住地域)における国籍法、帰化法、市民権の概念についてまとめた比較法研究。重要な条文は列記されているので、資料集としても便利。ただし年代等、原典にあたると若干間違いが見つかる。

本書の主張としては、「パスポート上の市民権(jinsiyya)」と「民主的市民権(muwatana)」を分けて考え、前者を身分手続き上のもの、後者を権利保障にまつわるものと捉えるのが特徴的(p.6など)。

著者はエルサレム生まれのユダヤ人だが、自身を「パレスチナ・ヘブライ人」と自認する。ファタハのメンバーで、現在はアル=クッズ大学の教員(錦田愛子)。