Hamas: A History from within

パレスチナの政治社会運動ハマースの歴史的発展を、在外政治局およびその指導者の活動と思想に焦点を当てて詳述する一冊。変容する中東地域の政治環境において、ハマースの指導部がいかにして課題に対処し、組織として成熟してきたかを描く。特に、ハマースの指導者に対して著者が持つ接近可能性を生かし、政治綱領である「ハマース憲章」の改訂に向けた議論が組織内で行われていることを明らかにした。この点は数々の文献で引用されている。

著者は現在ヨルダン川西岸地区のヘブロン出身で、イギリスを拠点として学術・著述活動を行う学者である。本書は2006年にロンドンのC. Horst & Coから発行されたHamas: Unwritten Chaptersに加筆修正をしたものである(清水雅子)。