Peaceful Resistance: Building a Palestinian University under Occupation

パレスチナ被占領地ビールゼイト大学学長であるガビ・バラムキ(ジャービー・バラームキー)による自叙伝的論考である。被占領地で最初の4年生大学としてビールゼイト大学がラーマッラー郊外のビールゼイト村に設立される過程や、その後の資金難やイスラエル占領当局による度重なる取締りなどを自身の記憶として記述している。

被占領地における高等教育が、否応なしに(非武装の)抵抗運動と接点を持たざるを得ないことが理解され、大変に興味深い内容となっている。著者であるバラムキ氏は2012年夏に死去し、ラーマッラーの教会で葬儀が行われた。(鈴木啓之)