歴史記述の方法と諸問題
シャティーラの記憶:パレスチナ難民キャンプの70年
レバノンの首都ベイルートにあるパレスチナ難民キャンプ「シャティーラ」で150人近くに聞き取り取材をした書籍です。書籍のなかに登場する人物も80人ちかく、丹念な取材に裏打ちされた既述が印象的な一冊です。
The Ethnic Cleansing of Palestine
歴史家イラン・パペが1948年のナクバに関してまとめた歴史書。タイトル通り、ナクバをパレスチナにおける「民族浄化」と捉え、それが偶然の積み重ねや場当たり的になされた命令の結果として起きたのではなく、マスタープランが存在し […]
The Zionist/Jewish and Palestinian/Arab National Movements: The Question of Legitimacy—a Comparative Observation
パレスチナ/イスラエルにおける紛争を、「シオニスト/ユダヤ」と「パレスチナ/アラブ」の間の対立と定義したうえで、双方の敵もしくは「正統な」交渉相手に関する認識をおおむね標準的な形で描いている論文。両者を対等なものとして描 […]
犠牲者としてのユダヤ人/パレスチナ人を超えて:ホロコースト、イスラエル、そしてパレスチナ
いわゆるポスト・シオニズムの諸研究に触発されながら、イスラエル社会の犠牲者像の所在やその変容について概観した論文。建国当初、イスラエル社会においてホロコースト生存者に対する視線には冷たいものがあった。自立的なユダヤ人を目 […]
Palestinian Village Histories: Geographies of the Displaced
1948年のナクバのなかで破壊されたパレスチナ人村落にかんする歴史書は、これまでに約120冊が出版されてきた。これらの歴史書はディアスポラのパレスチナ人の地縁・血縁ネットワークを通じて編集・配布されているため、長らくその […]
Why Secularism Fails? Secular Nationalism and Religious Revivalism in Israel
イスラエルの政治・社会・文化を理解する上で、世俗主義、宗教(ユダヤ教)、ナショナリズム(シオニズム)の関係を考察することは不可欠である。本論考は、世俗ナショナリズムとして始まったシオニズムが世俗主義には結実せず、逆に「世 […]
The Israeli Memory Struggle: History and Identity in the Age of Globalization.
本書は、一九八〇年代以降の「ポストシオニズム」の流れのなかで生まれた「新しい歴史記述」、文学テクストやメディア表象を取り上げ、イスラエルのなかでの歴史的言説の変化を検討している。分析視点としては、ヘイドン・ホワイト(Ha […]
Nakba: Palestine, 1948, and the Claims of Memory
ナクバの記憶がパレスチナ人離散社会のなかで果たす役割を、語りの困難さとの葛藤のなかに置きながら考察する論文集。トラウマ、ジェンダー、「現在」との距離、ナショナル・イメージとの間の葛藤などといった、語りを困難にする要件を浮 […]