歴史
Behind the Intifada: Labor and Women’s Movements in the Occupied Territories
パレスチナにおける1987年インティファーダの動員力を、労働組合と女性団体の活動から説得的に分析した研究書である。著者自身が長期のインターンによってパレスチナ被占領地に滞在して収集した豊富な資料から、非常に詳細な事実関係 […]
(パレスチナの抵抗:レバノン侵攻からインティファーダまで) المقاومة الفلسطينية بين غزو لبنان و الإنتفاضة
日本語訳『パレスチナの抵抗:レバノン侵攻からインティファーダまで』 パレスチナ被占領地(ヨルダン川西岸地区およびガザ地区)における抵抗運動を、1982年のレバノン侵攻から1987年のインティファーダまで扱った研究書。19 […]
New Social Movement and Democracy in Palestine: A Model for the Politics of Civil Society in the Arab World
「新しい社会運動」の観点からパレスチナ被占領地(ヨルダン川西岸地区ならびにガザ地区)を検討した研究書である。市民社会の観点からパレスチナを扱うものであり、完全な国民国家の状態にはない事例への適用が限界を抱えることも垣間見 […]
(ファタハ:アースィファからアル=アクサー大隊まで) حركة فتح من العاصفة إلى كتائب الأقصى
日本語訳『ファタハ:アースィファからアル=アクサー大隊まで』。 PLO最大党派であるファタハ(パレスチナ解放運動)に関して、創設期(1965年)からアル=アクサー・インティファーダ(第二次インティファーダ:2000年~) […]
悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事
エミール・ハビービーによる小説、『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(الوقائع الغريبة في اختفاء سعيد أبي النحس المتشائل)の初の日本語訳である。 物語としての価 […]
世界のユダヤ人とその世界
ユダヤ人の民族性とユダヤ人問題を超歴史的なものと見なす視点を批判し、ユダヤ人が国際的な一体性を持つ民族として観念され、ユダヤ人問題が普遍的・本質主義的な意味づけをされるに至った歴史的状況を考察した論考。 本論考の前半部で […]
Hollow Land: Israel's Architecture of Occupation
本書は、長年イスラエルの人権団体に関わった建築家が著した、パレスチナ被占領地の複雑な空間構造と権力構造を包括的に分析した文献。本書の独自性は、イスラエル政府と軍がイデオロギー的・戦略的な目標を実現するために占領地に「構造 […]
Colonial Effects: The Making of National Identity in Jordan
本書は、「典型的な脱植民地化した国民国家」(p.1-2)としてのヨルダン・ハーシム王国における、ナショナルアイデンティティと国民文化の形成を主題としたものである。とりわけ、ベドウィンとともにパレスチナ系住民の包摂および排 […]
Jordanians, Palestinians, and the Hashemite Kingdom in the Middle East Peace Process
著者はナーブルス出身のパレスチナ系ヨルダン人で、ヨルダンの閣僚を歴任し、フサイン国王のアドバイザーを務めた人物。 本書は、第一次世界大戦期から1990年代までのパレスチナ問題の展開とヨルダン政治のかかわりについて、ヨルダ […]
Barricades and Banners: The Revolution of 1905 and the Transformation of Warsaw Jewry
1905年革命前後のロシア領ポーランドのユダヤ政治(シオニズムやブンドその他)についてのモノグラフ。従来の研究が意識的・無意識的に「コミュニティ」の存在を前提に、それを主体として立論してきたのに対して、本書は言説や制度的 […]
宗教シオニズムの100年(全3巻)(מאה שנות ציונות דתית)
1903年のミズラヒ運動創設から100年目という節目に刊行された、宗教シオニズムに関するアンソロジー。宗教シオニズムのイデオロギー・神学・文化的な基礎と根源的問題を明らかにし、それによって宗教シオニズムの思想と活動に新た […]
From Religious Zionism to Zionist Religion: The Roots of Gush Emunim
第三次中東戦争以降に誕生した、宗教右派ユダヤ人の入植運動グッシュ・エムニームに関する概説。 本論文の特徴は、グッシュ・エムニームの起源として、1950年代に設立された宗教シオニストの青年グループ「ガヘレット」に着目する点 […]
Religious-Zionism: History and Ideology
宗教シオニズムの概説書。本書は、イスラエルのバール・イラン大学人文学部教授が執筆したヘブライ語文献の英訳版。 本著の特徴は、宗教シオニズムが19世紀あるいはそれ以前に始まったという見解を否定し、1902年のミズラヒ運動創 […]
宗教学から見た近代ユダヤ人のアイデンティティ――近代国民国家と宗教の定義――
本論考は、ユダヤ教・ユダヤ史を近代主義の問題として捉えなおすという問題意識から編纂された論文集の一章。西欧近代において「宗教」「民族」などの新たな法律概念・政治概念がどのように「ユダヤ教(Judaism)」を規定し、現代 […]
Zionism and Territory: The Socio-Territorial Dimensions of Zionist Politics
本著の特徴は、Frederick Jackson Turnerが提唱した「フロンティア」という概念を、特定の社会が入手・利用可能な「無人の領域」の度合いを表す量的概念として再定義した上で、ユダヤ人入植者と先住アラブ人の関 […]
現代イスラエルの社会経済構造―パレスチナにおけるユダヤ人入植村の研究
著者の没後に編纂・刊行され、刊行直後から最近まで数多くの研究者によって高く評価されてきた名著。 本著の特徴は、地誌学とマルクス経済地理学を基盤とする地域構造論という社会科学の手法を用いて、パレスチナという地域そのものの史 […]
Ethnocracy: Land, and the Politics of Identity Israel/Palestine
本著の特徴は、イスラエルとパレスチナを一つの構造分析の中に捉え、その地理・政治・文化・社会・経済的ダイナミクスを、「エスノクラシー(Ethnocracy)」という概念で総合的に分析する点にある。エスノクラシーとは、民主主 […]
Israel, A Colonial-Settler State?
パレスチナへのシオニストの移民・入植と、その結果生まれたイスラエルを「植民地主義的な入植国家」として分析することを提唱した先駆的研究。 著者は、パレスチナでのイスラエル国家建設を「19 世紀と20 世紀におけるヨーロッパ […]
Messianism, Zionism and Jewish Religious Radicalism (2nd Edition)
メシア主義思想におけるシオニズムの位置づけを巡る議論を体系的に整理した古典的名著。 著者は、シオニズムを巡る神学的議論はメシア主義すなわち贖いの性格や人間の役割を巡る議論と直結していると論じ、反シオニズムの論陣を張った正 […]
For the Land and the Lord: Jewish Fundamentalism in Israel
1967年以降にイスラエルで興隆したとされるユダヤ教原理主義について考察した学術書。 特に著者は、1967年戦争と西岸地区・ガザ地区の占領によって、イスラエル国家が、民族的誇り・親密さ・献身を特徴とする国から共同体の運命 […]
Why Secularism Fails? Secular Nationalism and Religious Revivalism in Israel
イスラエルの政治・社会・文化を理解する上で、世俗主義、宗教(ユダヤ教)、ナショナリズム(シオニズム)の関係を考察することは不可欠である。本論考は、世俗ナショナリズムとして始まったシオニズムが世俗主義には結実せず、逆に「世 […]
Zionism and Colonialism: A Comparative Approach
植民地主義およびユダヤ人移民とパレスチナ人の接触を分析の中心に据えてイスラエルの政治社会史を考察した論考。これまでのイスラエルの政治社会史は、シオニスト移民の物語とパレスチナ人とユダヤ人移民の接触の物語を別個に扱う「他者 […]
Spatial Concentration and Deconcentration of Population: Israel as a Case Study
本論考は、1948年から92年までの、イスラエルにおける人口の集中・脱集中・再集中といった現象を、国家レベルと大都市圏レベルを区別して考察した点で新しい。また、イスラエル国内の都市圏では均一的・同時代的に人口集中・脱集中 […]
ユダヤ教と原理主義-シオニズムの源流を求めて-
シオニズムとイスラエルとユダヤ教の関係性を扱った研究は、シオニズムを世俗的なメシア主義ないしはユダヤ人の精神復興運動と捉えてその内的な精神性に着目した研究と、宗教シオニズムや国家・領土の神聖化を生みだした社会経済構造や政 […]
Class Struggle in the Pale: The Formative Years of the Jewish Workers' Movement in Tsarist Russia
ロシア帝国におけるユダヤ人労働運動の研究。萌芽期の1880年代から1900年頃までを扱う。Henry Tobias, The Jewish Bund in Russia: From its Origins to 1905 […]
“Gegen den Strom”: Der Allgemeine Jüdische Arbeiterbund “Bund” in Polen, 1918–1939
従来、ブンドについての研究は1917年までのロシア帝国期の活動を扱ったものが大半であった。本書は両大戦間期ポーランドのブンド運動について論じた数少ない研究書の一つ。記述の体系性において同時期のブンドを扱ったBernard […]
Di geshikhte fun bund (5 vols.) די געשיכטע פון בונד
ブンドの活動家自身によって書かれたブンド運動史。他の政党や団体についての記述にブンド独自の評価が色濃く表れているなど、必ずしも客観的な歴史研究とは言えない面も多い。他方、個々の時代や場面での運動について、当事者にしか知り […]
Bundist Counterculture in Interwar Poland
両大戦間期ポーランドのブンドの党外の諸組織ーー青年組織「ツークンフト(Tsukunft)」、「社会主義子ども同盟(SKIF)」スポーツ協会「モルゲンシュテルン(Morgenshtern)」、療養・教育施設「メデム・サナト […]
The Jewish Bund in Russia: From its Origins to 1905
ブンド研究の古典。ポーランド分割以降のロシア帝国のユダヤ人の歴史の概観にはじまり、「ユダヤ人定住地域」におけるユダヤ人労働運動の発生、ブンドの結成を経、その運動が一つの頂点を迎える1905年革命までを扱う。指導者層の言動 […]