イスラエル建国以前のユダヤ史(地域別)
Is America "Different?" A Critique of American Jewish Exceptionalism
20世紀後半からBen Halpernをはじめとした歴史家の間で共有される傾向にあるアメリカ・ユダヤ史例外論を、最新のヨーロッパ・ユダヤ史の成果に基づきながら退ける意欲的論文。この例外論とは、ユダヤ史のなかでアメリカでは […]
Russian Jews between the Reds and the Whites, 1917-1920
ロシア革命に際してユダヤ人は様々な潮流に属していた。当時から流布していた「ユダヤ人=ボリシェヴィキ」という固定観念(それ自体反ユダヤ主義の原因となっていた)に反して、ボリシェヴィキにユダヤ人は少なく、多くはメンシェヴィキ […]
No Way Out: The Politics of Polish Jewry 1935–1939
両大戦間期のポーランドはヨーロッパで第一、世界で第二の規模のユダヤ人口を擁した(第一は米国)。そこでのユダヤ人の経験は、戦後のシオニズム運動とイデオロギーを大きく規定したといっても過言でない。本書が扱うのは、大戦前夜に猖 […]
ממלכתיות: התפיסה האזרחית של דוד בן-גוריון [マムラフティユット:ダヴィド・ベングリオンの市民概念]
ベングリオン等、イスラエル建国初期の指導者においてキーワードになっていた「マムラフティユット」の起源とその内容を検証した、テルアビブ大学の政治学者による研究書。「マムラフティユット」は「国家性」「国家主義」などと訳すこと […]
Exile from Exile: Israeli Writers from Iraq
国家建設以前からヨーロッパ出身のユダヤ人が中心となって発展していたイスラエルの文学界で、イラク出身のユダヤ人はミズラヒームとしては唯一多くの作家を輩出している。本書は第一部でこうした状況の歴史的背景と特徴を「離散文学」と […]
The YIVO Encyclopedia of Jews in Eastern Europe
ユダヤ研究で分からないことがあればまず参照する辞典として、最も高名なのはEncyclopaedia Judaica(2006年版が最新)であろう。だが、「東欧」のユダヤ人に関してより多くの情報を得たいと思えば、まず参照さ […]
The Jews and Minority Rights: 1898-1919
ロシア・東欧のユダヤ人の「民族的権利」や「自治」を求める思想や運動を全体的に見渡した古典。前半は、シモン・ドゥブノフ、ハイム・ジトロフスキー、ナータン・ビルンバウム等、ユダヤ・「ネイション」としての意識を発展させそれに依 […]
For Our Freedom and Yours : the Jewish Labour Bund in Poland, 1939-1949
第二次世界大戦開始から戦後の1949年(=ポーランドで統一労働者党以外の政党活動が不可能となった時期)までのポーランドのブンドを扱った歴史書。ドイツ軍の侵攻、ゲットーの建設、ユダヤ人虐殺の情報の広まり、といった刻々と変化 […]
Compact Memory (Die Welt等のドイツ語ユダヤ系新聞のデータベース)http://www.compactmemory.de/
世界シオニスト機構のドイツ語機関紙Die Weltや東欧ユダヤ人に関する記事を主題としたOst und Westなども全号無料で閲覧できるサイト(右クリック→画像を保存 で画像として保存できる)。ロシア・東欧のヘブライ語 […]
בין ציונות מדינית לציונות מעשית: התנועה הציונית ברוסיה בראשיתה〔政治的シオニズムと実践的シオニズムの間:ロシアにおける初期のシオニズム〕
ヘルツル時代のロシア帝国系シオニズムを扱ったほぼ唯一の研究書。さまざまな潮流のシ オニズムに目を配っているが、とりわけ、ヘルツルら西欧系とのイデオロギー的な緊張関係や、ロシア帝国内での活動(いわゆる Gegenwarts […]
The Zionist Peril
本論文は、英国ユダヤ教徒社会のなかでも、学者、外交担当者として当時もっとも有名な名士のひとり、ルシアン・ウルフによるシオニズム運動批判の論文である。ウルフはブリタニカ百科事典で「シオニズム」や「反セム主義」の項を執筆して […]
Nationalism and Its Alternatives in the International Arena: The Jewish Question at Paris, 1919
本論文は、第一次大戦後、パリ講和会議において大きな議論となったマイノリティ問題とこの議論の進展に貢献した欧米ユダヤ教徒諸代表団の外交を扱ったものである。 著者のLeveneは、このマイノリティ問題の議論においてなぜ欧米ユ […]
War, Jews, and the new Europe : the diplomacy of Lucien Wolf, 1914-1919
<p>英国のパレスチナ委任統治以前の時期、特に1917年のバルフォア宣言の時期を扱う研究の多くは、英国がパレスチナを確保しようとした動機の分析において主としてシオニストと英国政府の関係を検討している。そのため […]
世界のユダヤ人とその世界
ユダヤ人の民族性とユダヤ人問題を超歴史的なものと見なす視点を批判し、ユダヤ人が国際的な一体性を持つ民族として観念され、ユダヤ人問題が普遍的・本質主義的な意味づけをされるに至った歴史的状況を考察した論考。 本論考の前半部で […]
Barricades and Banners: The Revolution of 1905 and the Transformation of Warsaw Jewry
1905年革命前後のロシア領ポーランドのユダヤ政治(シオニズムやブンドその他)についてのモノグラフ。従来の研究が意識的・無意識的に「コミュニティ」の存在を前提に、それを主体として立論してきたのに対して、本書は言説や制度的 […]
宗教学から見た近代ユダヤ人のアイデンティティ――近代国民国家と宗教の定義――
本論考は、ユダヤ教・ユダヤ史を近代主義の問題として捉えなおすという問題意識から編纂された論文集の一章。西欧近代において「宗教」「民族」などの新たな法律概念・政治概念がどのように「ユダヤ教(Judaism)」を規定し、現代 […]
Messianism, Zionism and Jewish Religious Radicalism (2nd Edition)
メシア主義思想におけるシオニズムの位置づけを巡る議論を体系的に整理した古典的名著。 著者は、シオニズムを巡る神学的議論はメシア主義すなわち贖いの性格や人間の役割を巡る議論と直結していると論じ、反シオニズムの論陣を張った正 […]
ユダヤ教と原理主義-シオニズムの源流を求めて-
シオニズムとイスラエルとユダヤ教の関係性を扱った研究は、シオニズムを世俗的なメシア主義ないしはユダヤ人の精神復興運動と捉えてその内的な精神性に着目した研究と、宗教シオニズムや国家・領土の神聖化を生みだした社会経済構造や政 […]
Class Struggle in the Pale: The Formative Years of the Jewish Workers' Movement in Tsarist Russia
ロシア帝国におけるユダヤ人労働運動の研究。萌芽期の1880年代から1900年頃までを扱う。Henry Tobias, The Jewish Bund in Russia: From its Origins to 1905 […]
“Gegen den Strom”: Der Allgemeine Jüdische Arbeiterbund “Bund” in Polen, 1918–1939
従来、ブンドについての研究は1917年までのロシア帝国期の活動を扱ったものが大半であった。本書は両大戦間期ポーランドのブンド運動について論じた数少ない研究書の一つ。記述の体系性において同時期のブンドを扱ったBernard […]
Di geshikhte fun bund (5 vols.) די געשיכטע פון בונד
ブンドの活動家自身によって書かれたブンド運動史。他の政党や団体についての記述にブンド独自の評価が色濃く表れているなど、必ずしも客観的な歴史研究とは言えない面も多い。他方、個々の時代や場面での運動について、当事者にしか知り […]
Bundist Counterculture in Interwar Poland
両大戦間期ポーランドのブンドの党外の諸組織ーー青年組織「ツークンフト(Tsukunft)」、「社会主義子ども同盟(SKIF)」スポーツ協会「モルゲンシュテルン(Morgenshtern)」、療養・教育施設「メデム・サナト […]
The Jewish Bund in Russia: From its Origins to 1905
ブンド研究の古典。ポーランド分割以降のロシア帝国のユダヤ人の歴史の概観にはじまり、「ユダヤ人定住地域」におけるユダヤ人労働運動の発生、ブンドの結成を経、その運動が一つの頂点を迎える1905年革命までを扱う。指導者層の言動 […]
The Jews of the United States, 1654-2000
ユダヤ史を、周囲の社会に対する受動的な歴史と見るのではなく、相互作用に注目するアメリカ・ユダヤ史の概説。ディアスポラ状態全般に対して好意的な立場とも読めるが、むしろアメリカという特定の文脈においてユダヤ人が自由に様々な創 […]
Jewish Bialystok and Its Diaspora
ビアリストック(ポーランド語名:ビャウィストク)は、現在はベラルーシに近いポーランドの東端にある中都市。ロシア帝国時代の20世紀初頭は、工業都市として、ユダヤ人が多数派となっていたが、西への移民も多く輩出していた。20世 […]
Jewish Daily Life in Germany, 1618-1945
社会生活に焦点を当てた異色の通史。家族生活や日常的な宗教の実践、職業、非ユダヤ人との関係性などを、大きく4つの時期に分けて詳述している。ドイツ・ユダヤ近代史といえば、モーゼス・メンデルスゾーンを筆頭としたハスカラー(ユダ […]
The Jews of Britain 1656 to 2000
近代初期のイギリス・ユダヤ史専門家による近現代イギリス史の通史。念頭に置かれているのは、それまでヨーロッパ・ユダヤ人の成功例として単一のストーリーに収められがちだった歴史の多様性を救い出すという点である。ただ、他の地域の […]